第203条占有権の消滅事由過去問 1
占有権は、占有者が占有の意思を放棄し、又は占有物の所持を失うことによって消滅する。ただし、占有者が占有回収の訴えを提起したときは、この限りでない。
この条文の過去問 1問
占有者が占有物の所持を失った場合には、その占有者は、占有回収の訴えを提起して勝訴し、現実にその占有物の占有を回復したとしても、その占有物の所持を失っていた間の占有の継続を主張することはできない。
占有回収の訴えに勝って現実に占有を回復すれば、奪われていた間も占有は続いていたものとされる。
解説
誤り。占有を奪われた者が占有回収の訴えを提起して勝訴し、現実にその物の占有を回復したときは、所持を失っていた間も占有が継続していたものと扱われる。
【ひっかけ】203条本文の「占有物の所持を失うことによって消滅する」だけを示し、ただし書を落とした作り方。
【条文】民法203条「占有権は、占有者が占有の意思を放棄し、又は占有物の所持を失うことによって消滅する。ただし、占有者が占有回収の訴えを提起したときは、この限りでない。」
【根拠】最高裁判所第三小法廷判決(昭和44年12月2日、昭和42(オ)301、民集23巻12号2343頁)裁判要旨「民法二〇三条但書は、占有を奪われた者が、占有回収の訴を提起して勝訴し、現実にその物の占有を回復した場合に、占有の継続を擬制する趣旨と解するのが相当である。」
占有権は、占有者が占有物の所持を失うことによって消滅するが、占有者が占有回収の訴えを提起したときは、この限りでない(民法203条)。最高裁昭和44年12月2日判決は、このただし書について、占有を奪われた者が占有回収の訴えを提起して勝訴し、現実にその物の占有を回復した場合に、占有の継続を擬制する趣旨と解するのが相当であると判示している。本肢の占有者は勝訴して現実に占有を回復しているので、所持を失っていた間の占有の継続を主張することができる。
【出典】最高裁判所第三小法廷判決(昭和44年12月2日、昭和42(オ)301、民集23巻12号2343頁)裁判要旨 https://www.courts.go.jp/hanrei/51897/detail2/index.html